プロスペラ・マーキュリーは誰か?/『水星の魔女』前日譚〜8話「彼らの採択」迄を観て

December 04, 2022

エリクト・サマヤとスレッタ・マーキュリーは同一人物か?/『水星の魔女』前日譚「PROLOGUE」、小説「ゆりかごの星」、1話を観ての続きとして、
エリクト・サマヤとスレッタ・マーキュリーは同一人物ではない、 という見方が8話時点では強まっていると思う
6話で今がプロローグから21年後、8話でナイラ・バートラン、エリクトがばぁばと呼んでいた人物、が映し出された映像をスレッタが観て 「誰?」と言っていた等、理由は幾つか挙げられると思う

そこでエリクトとスレッタが同一人物ではないとすると、 プロスペラは誰か?という疑問も出てくると思うが、以下ではないかと私は考えている

  1. エリクト・サマヤの母親、エレノア・サマヤである
  2. エリクト

1.は順当な予想だと思う。 2.についての1番の理由は「ろうそくみたいでキレイだね」というエリクトの発言に 悲しんでいた、怯えていたような表情を見せた母親が プロスペラと同一人物なのか?という疑問だ

ろうそくみたいでの発言直後のエルノラの表情 00 © 創通・サンライズ・MBS

このような表情をしていた母親が復讐のためとはいえ、 自分の娘を道具のように扱う、というのは考えにくい。 私が考えたくない、そうであって欲しくはないだけなのかもしれないが
このアニメが一種の復讐劇、というのは復讐劇『テンペスト』のオマージュであることから間違いはない。 『テンペスト』は主人公プロスペローや妖精エアリアルが登場するシェイクスピアの古典だ

プロスペラは不敵、という言葉が似合う女性で 大胆に立ち回っている。この大胆で物怖じしない性格で プロスペラが道具のように扱える人間がいるとしたら自身のクローンで、 それがスレッタではないか?という仮定がある
エリクトも物怖じしない積極的な性格であった。 この性格は比較的内気に見えるスレッタとは対照的である

プロスペラ=エレノアで、スレッタがエリクトのクローンではないか、ということも考えられるが、 その場合クローンとはいえ、自身の娘に似た人物を復讐の道具として 扱えるのか?という疑問が湧く

スレッタがプロスペラの娘ではないだろう、ということを感じさせる描写は作中に幾つかある。 プロスペラが「娘」「娘たち」というとき、それはガンダム・エアリアル(ビットを含む)を指し その娘たちのなかにスレッタが入っているのか?と思うときは多々ある

「大丈夫、エアリアルは勝つわ。わたしのかわいい娘だもの」と言うプロスペラ 01 © 創通・サンライズ・MBS

水星の魔女のOPで以下の歌詞が歌われているが、

これは君の人生 (誰のものでもない) それは答えなんて無い (自分で選ぶ道) もう呪縛は解いて 定められたフィクションから今 飛び出すんだ 飛び立つんだ

これがスレッタ自身の境遇を表しているとすると、 スレッタ自身がまだ知らない過酷な境遇があり、 それを乗り越えていく話が、これから展開されていくのだろうと思っている


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Written by Mitsukuni Ikeda who lives and works as a IT Consultant in Tokyo. You should follow them on GitHubTwitch or Steam